電磁アクチュエータ技術コラム:基礎から最新トレンドまで
Column

ロータリーソレノイドの常識を変える「超高速・高耐久」技術とは?応答5ms・1億回耐久のソレノイド活用法

1.はじめに:進化するソレノイド技術

「ステッピングモーターでは脱調が心配」「一般的なロータリーソレノイドでは寿命が短くメンテナンスが大変」……。
現代の産業機械開発において、こうしたアクチュエーターの課題は尽きま%せん。より速く、より正確に、そして長寿命な駆動部品が求められています。
タカノは長年の研究開発を経て、「応答時間5ms以下の超高速駆動」と「1億回以上の耐久性」を両立するソレノイドを開発しました。
「ロータリーソレノイド」の中でも、特に性能と信頼性に優れたタカノの技術(バイスロータリー方式)について、基礎原理から他方式との比較まで詳しく解説します。

2.バイスロータリーソレノイドの基礎原理

ロータリーソレノイド(バイスロータリー方式)は、電磁力を利用し、限定された角度での往復回転運動に特化したアクチュエーターです。コイルへの通電により固定子の磁極が変化し、回転子の永久磁石との間で生じる吸引・反発力によって回転運動が発生します。

バイスロータリーソレノイドの構造

3.高速化技術(ステッピングモーターvsバイスロータリーソレノイド)

ロータリーソレノイド(バイスロータリー方式)は、電気エネルギーを、シャフト(軸)を中心とした回転運動に変換するという点でステッピングモーターと共通しています。
しかし、ステッピングモーターの駆動は 励磁パルスに追従してローターが“引き寄せられていく”方式のため、高速・大加速ではステップ飛び(脱調)が発生しやすくなり、数msの応答で動作させることは困難です。
一方、ロータリーソレノイド(バイスロータリー方式)は位置制御を必要とせず、瞬時に最大電力を印加して動作し、メカニカルストッパーによって所定位置で停止する構造であるため、数msオーダーの高速応答を実現できます。


ステッピングモーター バイスロータリーソレノイド
応答速度 数十ms〜数百msが一般的 数ms〜十数ms
脱調リスク 高速動作時に発生しやすい ない
得意な動作 連続的な回転、広範囲での精密な位置決め 短いストローク、二点間の高速往復運動、瞬時の切り替え

4.高耐久性技術(一般的なロータリーソレノイドとの違い)

「ロータリーソレノイドは寿命が短い」というイメージをお持ちではありませんか?
実は、構造の違いによって耐久性は劇的に変わります。ここでは一般的なロータリーソレノイド(直進変換型)と、タカノのロータリーソレノイド(バイスロータリー方式)を比較します。



一般的なロータリーソレノイド(直進変換型)

直動ソレノイドの原理を応用し、通電による吸引力をベアリングボールと特殊なボール溝(レース)で回転運動に変換しています。
構造上、ボール溝とベアリングボールが常に接触し、強い力で押し合いながら滑るため、駆動のたびに摩耗や摩耗粉が発生しやすくなります。その結果、動作不良を引き起こしやすく、耐久性は一般的に1,000万〜5,000万回程度が限界と言われています。



タカノのロータリーソレノイド(バイスロータリー方式)

回転子のシャフトが軸受け(ベアリング)のみに支えられて回転する純粋な回転構造です。
軸受け部以外に摩耗する接触箇所がないため、摩耗粉の発生を極限まで抑えられます。寿命は軸受けに依存するため、当社規定の試験条件下で1 億回以上のメンテナンスフリーを確認しました。

一般的なロータリーソレノイド
(直進変換型)

一般的なロータリーソレノイド(直進変換型)

タカノのロータリーソレノイド
(バイスロータリー方式)

タカノのロータリーソレノイド(バイスロータリー方式)

5.用途例

タカノのロータリーソレノイド(バイスロータリー方式)は搬送装置、ATM、自動ロボット、宇宙関連機器、自動織機、医療機器、光学機器のシャッター開閉など多岐にわたる分野で活用されています。なかでも、高速・高耐久性能を最大限に発揮しているのが、自動織機用のソレノイドです。

自動織機は、以下のような過酷な条件下で稼働しています。

  • 連続稼働:動作は1分間に1,200回(1,200rpm)、24時間365日休みなく連続稼働
  • 高速稼働:時速約300キロで緯糸が搬送し続ける


自動織機でのバイスロータリーソレノイドの役割

バイスロータリーソレノイドは、糸を「飛ばす・止める・切る・緩める」という重要な制御動作を担います。時速約300kmで搬送される緯糸を確実に制御するため、数ms以内での高速応答が不可欠です。加えて、2年間のノーメンテナンス連続運転を前提とし、億回以上の繰返し動作に耐える高い耐久性が求められます。

6.まとめ

タカノのロータリーソレノイド(バイスロータリー方式)は、応答時間5ms以下の超高速応答性と、ベアリング軸受けによって1億回以上の高耐久性を両立し、現代の産業機械が求める厳しい要求に応えます。
設計における高速化や長寿命化の課題解決、過酷な環境下での安定稼働を実現するために、タカノのロータリーソレノイドが皆様のプロジェクトの一助となれば幸いです。

また、今回のコラムには書ききれなかったバイスロータリーソレノイドの原理や選定ガイドをまとめたページもご用意しております!ぜひご覧ください!!



※記載の各数値およびメンテナンスフリー回数は、当社規定の試験条件下における実測値です。実際の使用環境(負荷、電圧、取付方向等)により変動する場合があるため、詳細は製品仕様書をご確認ください

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