電磁アクチュエータ技術コラム:基礎から最新トレンドまで
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ソレノイドバルブ(比例制御弁)徹底解説:自由自在な流体制御の魅力

1.はじめに

このコラムでは、比例制御弁(以下、比例弁)の基本的な仕組み・特長・構造を解説し、PWM制御やクローズドループ制御を用いた流量制御の自動化についてもご紹介します。ぜひご一読ください。

2.比例弁とは?

仕組みと特徴
比例弁とは、電気信号によって流体の流量や圧力を無段階で制御できる電磁弁の一種です。この製品は、一般的なON-OFF弁とは異なり、流量を細かく調整する機能があり、流体の精密な自動制御が求められる場面で使用されます。比例制御により、空気や水、油などさまざまな流体を対象に効率的かつ柔軟な制御が可能です。

構造
比例弁の基本構造には、コイルや鉄芯、弁体、ばねが含まれています。コイルに通電することで磁界が発生し、鉄芯が可動する仕組みです。コイルの通電によって弁の開度が変化し、流量を最適に調整できます。最大の特徴は、電気信号の大きさに応じて連続的に弁の開度を変えられる点で、高精度な流量制御を実現します。
比例弁の構造
【断面のイメージ図】

ON-OFF弁との比較
比例弁は、ON-OFF弁と大きく異なる点があります。ON-OFF弁は「開く・閉じる」の2つの状態しか制御できません。一方、比例弁は電気信号の変化に応じて開度を連続的に調節し、より細かな流量や圧力制御が可能です。スイッチング主体のON-OFF弁と比べ、比例弁は調整する機能を持つため、用途や適用範囲が大きく異なります。

ON-OFF弁 比例弁
用途 流体の遮断 流量・圧力の調節
開度量 0か100の2択 0~100の間で可変可能
シャットオフ性能 高い 低い
制御方法 スイッチング駆動 PWM制御
比例弁の構造
【例:火力調整】

ガスで料理をするとき、炒め物は強火、煮込みは弱火、と自然に火力を調整します。
これこそが比例制御の一例です。

家庭用コンロではガスコックを回すことでガス量を手動で制御していますが、電動化する場合は比例弁を使うことで火力調整を自動化できます。

3.比例弁の制御方法

PWM制御について
比例弁には、PWM(パルス幅変調)制御という方法がよく用いられます。この制御方式は、比例弁のコイルに供給される電圧(コイル電圧)を断続的にスイッチングし、そのパルスのON幅(Ton)を変えることで、比例弁の開閉状態を微調整できる仕組みです。
PWM制御を使用することで、比例弁の開度をデューティー比(Ton/(Ton+Toff))に比例して調整できるため、流体の流量を自由自在に制御することが可能です。また、空気やガス、水、油など多様な流体に対応することができるため、幅広い産業分野で利用されています。
PWM制御の関係図
【デューティー比とコイル電圧の関係】

クローズドループ制御による流量制御の自動化
比例弁は、クローズドループ制御システムを採用することで、さらに高精度な流量制御を可能にします。クローズドループ制御とは、流量センサや圧力センサからのフィードバックをもとに、制御信号を自動的に調節する制御方式です。この制御機能により、流量や圧力が常に設定値に保たれるように調整されます。
例えば、バルブを通過する流体の流量が一定のセットポイントを超えた場合、制御システムが自動でバルブの開度を絞り、流れを調整します。一方、流量が設定値よりも少ない場合は、開度を広げる調整が行われます。この過程がリアルタイムで行われるため、外部環境の変化や使用条件に素早く対応できるのが特徴です。
このクローズドループ制御は、燃焼ガスの調整や乾燥圧縮エアの供給、窒素ガスを使用した酸化防止用途など、精密な流量管理が求められる分野で特に有効です。さらに、PWM制御との組み合わせにより高効率かつ正確な流体制御を実現し、半導体製造装置や医療・分析機器、自動車、食品分野などで広く活躍しています。
流量制御のイメージ
【例:火力調整】




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まとめ

今回は、比例弁の仕組み・特長・構造を解説し、PWM制御やクローズドループ制御による精密な流量制御もご紹介しました。バルブ選定や運用をご検討中の際に、少しでもお役立ていただければ幸いです。ご質問や詳細情報のご要望がございましたら、いつでもお問い合わせください。

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