電磁アクチュエータ技術コラム:基礎から最新トレンドまで
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クリーンなガス制御を実現する比例制御弁の選び方|半導体・医療機器の歩留まり向上に貢献する「摺動レス構造」とは

1. はじめに:モノづくりのクリーン化が進む背景

近年、半導体製造や医療機器、分析装置など、製造現場では「ガスの純度」が製品品質を左右する重要な要素となっています。
特に、ナノメートル単位の微細加工が求められる半導体分野や、高感度な分析装置では、わずかなガス汚染が歩留まりや測定精度に直結するため、ガスラインのクリーン化が強く求められています。

2. ガス汚染の要因とその影響

ガス供給系統で汚染を引き起こす主な要因は以下の通りです。

  • バルブ内部の摩耗粉・油分・樹脂のアウトガス
  • 接ガス部材からの金属イオンや水分の放出
  • 高分子シール材からの揮発成分
  • シール部や溶接部からの微小リーク

これらの汚染は、

  • 半導体製造分野:パーティクル欠陥・膜厚ムラ
  • 分析装置:測定値のドリフト
  • 医療分野:ガス純度の低下

といった不具合につながります。

3. ガス汚染を防ぐ比例制御弁の条件:タカノが提案する「摺動レス・高耐食」のメリット

クリーンなガス制御を実現するために、バルブには以下の設計要件が求められます。



要件 対応
接ガス金属材 耐食性に優れたSUS316Lや低不純物金属材料を選定
シール材 低アウトガスフッ素ゴムやフッ素樹脂材 、金属シールを選定
内部構造 駆動部における摩耗粉の発生を物理的に排除する「摺動レス(摩耗のない)構造」により、潤滑材レスかつ摩耗防止を両立
溶接シール シール部の溶接などによる高信頼性封止構造
洗浄・組立工程 部品の超純水洗浄+クリーンルーム組立
バルブ特性 微小流量域での比例制御性・高応答性、高シャットオフ性能


これらを満たすことで、「ガスを汚染しないバルブ」が実現しています。

比例制御ソレノイドバルブ
【タカノの比例制御ソレノイドバルブ】


腐食しない高耐食性材料で構成

接ガス部には、腐食環境下でも化学的に安定したSUS316L、ハステロイ、フッ素樹脂、K-M45などの高耐食性材料を選定します。
これにより、酸性・アルカリ性ガス、湿潤雰囲気などでもイオン溶出や金属腐食によるガス汚染を防止します。
※K-M45はSEMI F105-0914「ガス供給システムにおける金属材料の適合性ガイド」において、フェライトステンレス鋼で唯一の超高純度等級認定材料です。



摺動レス構造による高信頼性とクリーン性

駆動部は上下2枚の板ばねでガイドされ、中央で支持されるため、摺動がありません。
この独自構造により、摩耗が発生せず「滑らかな比例駆動」が実現され、繰り返し使用しても安定した流量特性を維持します。また、摺動部がないため「低パーティクル」を実現し、クリーンな環境でも安心してご使用いただけます。

比例制御ソレノイドバルブ
特許取得の独自吸引構造により、入力信号に対して高分解能な比例特性を実現します

これにより、わずかな電気信号の変化にも高い応答性で追従し、微小流量域において優れた比例制御性と高いシャットオフ性能を発揮します。微小流量や圧力の精密制御が可能となり、研究用途から量産装置まで、安定した高精度制御を提供します。

クリーンルームの様子
クリーンルームの様子
【クリーンルームの様子】

4. 適用分野

  • 半導体製造装置(前工程)
  • 半導体搬送装置(N2パージ)
  • 分析・計測装置(GC、MSなど)
  • 呼吸系医療機器
  • 研究設備、ガス混合装置


具体的な活用例・推奨商品は、こちらの活用事例ページで詳しくご紹介しています。
ぜひご覧ください。

5. まとめ

クリーン化が求められる現代のモノづくりにおいて、ガスを汚染しないバルブ選定は欠かせません。
比例制御弁は、電気信号で流量を自在に制御できる利便性に加え、構造的にも清浄度・密封性・再現性を兼ね備えることで、次世代のクリーンガス制御の高度化に貢献します。

比例制御弁について、さらに深く知りたい方は、過去のコラムもぜひご一読ください。

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