電磁アクチュエータ技術コラム:基礎から最新トレンドまで
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バイスロータリーソレノイドの外部ストッパー設置方法と動作しない場合の対処法
2024年12月12日 公開
ソレノイドやアクチュエーターは、私たちの身近なところで広く活用されています。例えば、自動ドア、家電、産業機械など、多岐にわたる分野で利用される重要な機器です。これらのデバイスがどのように動作し、どのような用途があるのかを解説していきます。
1.はじめに
お客様から「バイスロータリーソレノイドが動かない」というお問い合わせをいただくことがあります。このコラムでは、その原因の一つである外部ストッパーの設置方法について詳しく解説し、スムーズにソレノイドをご使用いただけるようサポートいたします。ぜひご参考になさってください。
2.外部ストッパーの設置方法
①開封時の状態
開封時は永久磁石とシャフトのDカットの位置関係が安定している状態(下図FもしくはG)です。
【ソレノイド(RSR20/20)外観写真】

【バイスロータリーソレノイド断面】
②負荷の取り付け方法
・Dカットを利用して、止めネジなどでシャフトに回転をさせる負荷(シャッターやレバー)を取り付けてください(クランプ方式による「割り締め」という方法もあります)。※使用する負荷に合わせて、適切な方法を選んでください。

【断面のイメージ図】

【取り付けの際にポイントとなるもの】
1.シャフトのDカット面に負荷側のネジ穴を正確に合わせます。
負荷の穴にもDカット加工をすると固定精度の向上や空転防止になります。
2.止めネジをDカット面に垂直に当たるように挿入し、しっかりと固定します。


負荷の穴にもDカット加工をすると固定精度の向上や空転防止になります。

2.止めネジをDカット面に垂直に当たるように挿入し、しっかりと固定します。


③外部ストッパーの設置方法
- 負荷を振分け中心である0°付近に移動させ、外部ストッパーを必要とする角度に取り付けてください。
- 0°位置は機種によって異なりますので、カタログの外観図でご確認ください。
- 外部ストッパー設置後、手を離すとどちらかの外部ストッパー側に磁力で回転します。
- ソレノイドの使用角度は機種によって異なりますので、お困りの際はお問い合わせください。

ストッパーはゴムなどの緩衝材の使用をお勧めします。金属ストッパーは衝撃が強く故障の原因になります。

外観図に「+」「-」の入力方向と回転方向が示されていますのでご確認ください。 以上でバイスロータリーソレノイドの外部ストッパーの設置は完了です。

【外部ストッパー設置完了時の外観写真】
3.動作確認と不具合時の対処法
以上の設置が完了した状態で、通電時に動作しない場合、以下の可能性があります。
・通電方向が不一致
バイスロータリーソレノイドは、時計回り(CW回転)と反時計回り(CCW回転)の回転方向によって、通電の極性(+と-)を逆にする必要があります。
回転させたい方向と通電の極性が一致していない場合、ソレノイドは動作しません。
対策:通電方向を逆にして動作をご確認ください。また、仕様書に記載の通電方向と動作の向きを確認し、Dカットの向きが0°位置振分けになっているかを確認してください。
回転させたい方向と通電の極性が一致していない場合、ソレノイドは動作しません。
対策:通電方向を逆にして動作をご確認ください。また、仕様書に記載の通電方向と動作の向きを確認し、Dカットの向きが0°位置振分けになっているかを確認してください。
・負荷が重すぎる
負荷が重すぎて動作しないことがあります。
対策:以下3つの対応を検討してください。
①負荷を軽くする
②印加電圧を上げる
【注意事項】
印加電圧を上げるとコイルの発熱量が増加するため、耐熱温度・通電率を超えないように注意してください。超える場合は、通電率を下げる又は、放熱性を上げる必要があります。
③動作角度を振分け中心(0°)に対して狭くする
ロータリーソレノイドは、動作角度を狭くするとトルクが増加します。
そのため、必要に応じて動作角度を調整し、トルク不足を解消してください。
対策:以下3つの対応を検討してください。
①負荷を軽くする
②印加電圧を上げる
【注意事項】
印加電圧を上げるとコイルの発熱量が増加するため、耐熱温度・通電率を超えないように注意してください。超える場合は、通電率を下げる又は、放熱性を上げる必要があります。
③動作角度を振分け中心(0°)に対して狭くする
ロータリーソレノイドは、動作角度を狭くするとトルクが増加します。
そのため、必要に応じて動作角度を調整し、トルク不足を解消してください。
・ストッパーの設置位置が不適切
0°位置から一定以上離れると通電しても動作しなくなります。機種によりますが、目安として±15~45°程度が動作幅の範囲です。
対策:使用機種の振分け中心である0°位置を基準にガイドストッパーが正しく設置されているか確認してください。カタログに記載の電線引き出し位置と振分け0°の位置関係を確認すると、0°の判別が可能です。上記の動作角度目安を超えるような場合には、角度を狭くして動作するか確認してください。
対策:使用機種の振分け中心である0°位置を基準にガイドストッパーが正しく設置されているか確認してください。カタログに記載の電線引き出し位置と振分け0°の位置関係を確認すると、0°の判別が可能です。上記の動作角度目安を超えるような場合には、角度を狭くして動作するか確認してください。
まとめ
今回は、バイスロータリーソレノイドの外部ストッパーを設置する際のコツについて解説しました。また、設置後の動作確認と対処法も併せてご紹介しました。これにより、「ソレノイドの動かし方がわからない」という問題を解決し、スムーズにソレノイドをご使用いただければ幸いです。今回ご紹介した情報をぜひお役立てください。